染色に役立つ用語や単位、繊維・テキスタイルの解説などの用語集です(用語辞典)。「ま」~「も」で始まる用語を収録しています。
染料・染色用語辞典 ま~も
染料・染色用語「ま」
染料が繊維上で移動する現象のこと。移染(いせん)とも言う。染色過程で均等にマイグレーションが起きることは均等に染まるのでよいマイグレーションといえる。染めたのちにマイグレーションを起こして汚染するのは悪いマイグレーション。
糊剤→粘度を上げて染料移行をおさえる
塩類→染料を凝集・親和性を上げて移行を抑える
マニラ麻(マニラアサ)
バショウ科バショウ属の植物の葉脈を原料とする天然繊維。
繊維は太く強さがあり、軽い上に日光に強く耐水性にも優れているため古くから船舶用のロープとして用いられてきた。
他にも工業資材や和紙、紙幣の原料として利用されている。
マルセル石鹸
カルボン酸塩類 参照
染料・染色用語「み」
分散でも乳化でもない、イオンや分子の独特の集合状態のことで、数個から百数十個の分子やイオンが互いに引き合って寄り集まり、小さなボール状になったもの。水溶化と乳化の中間の状態で、乳化より小さい微粒子状になっている。
ミセル間隙
非結晶領城(結晶領域と結晶領域との間の空間)
ミツロウ
ミツバチの巣を構成する蝋。働きバチの腹部の腺から分泌されたもので、主成分はパルミチン酸ミリシル。巣を加熱圧搾したり、湯で煮溶かしたりして採取する。精製したものは白色。つや出し剤・化粧品などに利用。
ミョウバン(明礬)
(硫酸アルミニウムカリウム)
AlK(SO4)2・12H20で表される複合塩の総称。単にミョウバンといった場合、誤解を避けるためにはカリミョウバンと呼んだほうがよい。カリミョウバンの無水物を焼きミョウバンという。染色剤や防水剤、消火剤、皮なめし剤、沈殿剤などの用途がある上質の井戸がない場合、質の悪い水にミョウバンを入れて不純物を沈殿させて飲用に使う。AlNH4(SO4)2・12H2O=アンモニウムミョウバン
ミル消費
国内加工場(紡績業、織物業、ニット生地製造業、網・綱製造業など)へ投入される糸、綿(わた)の量。国内生産のみならず海外生産の糸、綿(わた)も含まれる。輸出に回されるものは含まない。
染料・染色用語「む」
染料・染色用語「め」
(一般名:ガラクトマンナン)を加水分解して作られる。
染料の糊剤として使用される。
メタケイ酸ソーダ(Na2SiO3)
現像に使われる。
水溶液を放置しておくと酸成分の加水分解によりケイ酸ゲルとなるが、これを脱水乾燥したものがシリカゲルである。保湿成分になる。
メチル
アルキル基の一。CH3‐で表される一価の基。メチル基。有機基を持つことから撥水性や離型性といった独特の界面特性も備える。
メッシュ
①型を作るときに使用する網の目の大きさ1㎝平方の中の目の数をさす。②糊型は20~50メッシュの紗を使い、プリントものは50メッシュ以上の細かいものを使用する。写真印刷のものは100 メッシュ以上を使用。
1インチ(2.54cm)に何本の糸が織られているか、という糸の線数のこと。 →スクリーン線数
メリヤス
もとは靴下の意。編み物用機械によって編んだ布地。織物が縦・横二本の直線の糸でつくられるのに対し、メリヤスは一本の糸による編み輪のからみ合いでつくられる。[補説] 「莫大小」「目利安」とも書く。
メルトブローン法(メルトブロー)
溶融状態のポリマーを細孔から吐出させ、音速域の加熱気体で吹き飛ばし金網上に捕集して不織布状とするもので、0.1dtexレベルの極細繊維が得られる。
綿(コットン)
綿は、アオイ科のワタ属から取れる天然繊維。
耐熱性・吸水性が高く、丈夫な素材なので、Tシャツやトレーナー、シャツなどに多く使われている。
綿:cotton(アスペロ綿)
ペルー綿(アスペロ)は、セルバ・バッハと呼ばれるアンデス山脈の東側標高500m以下の熱帯雨林地帯のSAN MARTIN省で、化学肥料や農薬をほとんど使わず栽培できるエコロジーコットン。
繊度は米綿の倍 6.8~7.3マイクロ。繊維長は1.02~1.03in。と非常に太くて短く、紡績には高度な技術を要す。
テキスタイルに仕上げた風合いもウールライクなドライタッチで弾力性、嵩高性 、軽量感に優れる。
綿:cotton(アップランド綿)
アメリカ綿の代名詞。カリフォルニア州で採れる。繊維強度に優れ高級ニット用として最適。
綿:cotton(インド綿)
品種改良によって品質が向上。長繊維になり収穫量も増えている。超長繊維は色が白く素晴らしい手触り。高級品に最適。ただ品質にばらつきがある。
綿:cotton(エジプト綿)
世界で最高級の品質。超長繊維~長繊維。強度も世界最高。シルキーでしなやか。高級薄地織物・カタン糸に最適。
綿:cotton(オーストラリア綿)
中・長繊維だが品質的な特徴はない。
綿:cotton(海島綿(シーアイランド綿))
西インド諸島でとれる。絹のような柔らかさ。
綿:cotton(スーダン綿)
エジプト綿級の超長繊維。強度がやや劣り、粘着性があるため紡績工程でのトラブルが多い。
綿:cotton(スーピマ綿)
アメリカ産。エジプト綿に似た高品質を持っている。
パキスタンの綿は異物の混入が多いときもあるらしい。
綿:cotton(中国綿)
中繊維から長繊維。品質にばらつきが多いので高級綿としてではなく太い番手用の原料として使用。
綿:cotton(パキスタン綿)
太番手用の短繊維の産地。太さと強度がある。近年は中・長繊維も生産されている。
綿:cotton(米綿)
半球では中国、アメリカ、エジプト、インド、パキスタン、ウズベキスタンをはじめとする旧ソ連地域など、南半球ではオーストラリア、ペルー、ブラジルなどがある。生産量は中国が最大だが、最大消費国でもあるので、対日輸出は新彊綿など一部。日本の綿花輸入はアメリカが中心になっている。その理由はアメリカが世界最大の綿花輸出国であることのほか、品質と供給が安定しているため。大部分はアプランド綿といわれる種類だが、ほか四十種類にのぼり、綿花のデパートといわれる。日本に輸出されている代表的な綿花はカリフォルニアの採れるサンホーキン綿で、繊維が強くて天然の白さに優れている。また、超長綿のスーピマ綿もなじみが深い。アメリカでは農務省と綿花団体が積極的に需要を振興する体制をとっている。
綿:cotton(ブラジル綿)
品質はあまりよくないらしい。ただし供給は安定している。
綿:cotton(ロシア綿)
ウズベキスタンなどの中央アジアで生産する中・長繊維。雨が降らない地域で人工灌漑を行っているので品質は非常に安定。布面が滑らか合繊との混紡に適。ただし色沢が悪い、異物の混入有り。
綿の繊維長さ
超長繊維 (6センチ以上)
長繊維 (3.5~6センチ)
中繊維 (2.5~3センチ)
染料・染色用語「も」
硫酸エステル塩類 参照
モノマー
(対→ポリマー)
単量体という意味。小さな一つの構成で作られる分子のこと。電車の一車両のようなもの。
モヘア
アンゴラヤギから取れた毛を原料とする動物繊維。
着心地も軽く、熱を溜め込まないので通気性がとてもいいので春夏に最適な生地。
光沢がある。
モリブデン
クロム族元素の一。単体は銀白色の金属で硬く、融点がきわめて高い。主要鉱石は輝水鉛鉱。生物体にも少量含まれ、植物では窒素の代謝に不可欠。ステンレス鋼・耐熱合金・電子機器材料などに使用。元素記号Mo 原子番号四二。原子量九五・九四。摩擦係数が低いことから、二硫化モリブデンとして、工業用の潤滑油やエンジンオイルの添加剤に用いられる。
染料・染色講座 上級編 目次
染色処方とは料理のレシピみたいなもの。
「はかり」・「鍋」など染色に必要な道具について解説しています。
「浴比」・「%」などについて分かりやすく図解で解説しています。
実例だけでなく簡単に計算できる「染料自動計算フォーム」もあります。
微量の染料を誤差なく計量する方法について解説しています。
「折れ線グラフ」ぽい染色処方(レサイプ)の見方を解説しています。
「色あわせ」とも呼ばれる本番染色前の重要な作業について。
色の彩度を下げる?混色とは?について図でわかりやすく解説しています。
綿や麻やウール。色の付き方、縮み方。
各種繊維・テキスタイル(織物)の分類一覧表を掲載しています。
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