さまざまな素材を黒に染めました
編み方や織り方が違うそれぞれの生地を反応染料(綿麻用の染料)で染めて仕上がりを比較してみました。
【使用した染料の種類】反応染料(綿麻用)
【染めた素材】シーチング・帆布・シルク・レザー・アクリル
【染めた色】黒橡(くろつるばみ)
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①シーチング (綿)
【縮み】たての縮みに変化なし。よこの縮みが2.5%
【染まり具合】高温で染めた結果、真っ黒な仕上がりに。
【風合い】あまり変わらない
③シルク(絹)
【縮み】たて 4%、よこ 4%
【染まり具合】高温で染めた結果、真っ黒な仕上がりに。
【風合い】シルク特有の風合いが少し損なわれた
⑤アクリルテープ
【縮み】たて2.5%、よこ 5%
【染まり具合】高温で染めたが、少し色が付いてグレーになった。
【風合い】変わらない
②帆布(綿)
【縮み】たて、よこ 5%
【染まり具合】高温で染めた結果、真っ黒な仕上がりに。
【風合い】あまり変わらない
④レザー
【縮み】たて 25%、よこ 15% かなり縮みました。
【染まり具合】高温で染めた結果、真っ黒な仕上がりに。
【風合い】レザー(革)は高温の影響でかなり縮み堅くなった。
さまざな衣類を染めた
色が付いているワンピース・柄のあるワンピース・素材の分からないベスト・シミ汚れの付いたブラウス・色あせたタンクトップ
を黒色にまとめて染めました
【使用した染料の種類】反応染料(綿麻用)
【染めた素材】麻・綿・混紡(アクリル53%・ナイロン34%・毛13%)
【染めた色】黒橡(くろつるばみ)
⇩
【結果】
- 元の色、柄の影響で黒の色味、仕上がりが変わってくる
- 綿麻用の染料で染めるとそれ以外の素材はほとんど染まらないか薄い仕上がり
- 縫い糸(ステッチ)は染まらない
①ノースリーブワンピース(麻100%)
【縮み】ほとんどなし
【染まり具合】真っ黒な仕上がり
【風合い】変わらない
【感想】黄色地のワンピースは黄色みの黒・赤い部分は赤黒い
仕上がりになった。ファスナー、縫い糸は染まらず前のまま
③ニット(混紡)
【縮み】ほとんどなし
【染まり具合】薄いベージュ
【風合い】変わらない
【感想】アクリル53%・ナイロン34%・毛13%の混紡商品、綿が0%
だったためほとんど色が付かなかった
⑤ナチュラルブラウス(綿100%)
【縮み】たて・よこ10%前後発生
【染まり具合】真っ黒
【風合い】変わらない
【感想】シミがあちこちにあったが黒に染める事でシミをカバーする
ことが出来ブラウスがよみがえった
縫い糸(ステッチ)は染まらなかった
②ガーゼ生地ワンピース(綿100%)
【縮み】襟部分のみの縮が大きくでた
【染まり具合】真っ黒な仕上がり
【風合い】ガーゼ生地の風合いそのまま
【感想】柄の部分はよく見ると見えるが、ほとんど分からない
縫い糸、袖ぐり、裾の糸は素材が違うのか染まらなかった
④ベスト(素材不明)
【縮み】少し縮んだ
【染まり具合】グレー
【風合い】変わらない
【感想】素材の分からない商品でしたが染めると色が多少ついた
縮みも大きくは出なかった
⑥タンクトップ(綿100%)
【縮み】ほとんどなし、襟首が伸びた
【染まり具合】真っ黒
【風合い】変わらない
【感想】色あせた綿のタンクトップ、染めることで新品によみがえっ
た仕上がりになった
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まとめ
- 綿素材でも種類は様々あり、(帆布、ガーゼ、シーチング等) 元色、編み方によって黒の仕上がりが多少異なる。
- 綿麻用の染料(反応染料)で染めた場合その他の素材はほとんど色が付かないか、薄っすらと色づく。シルク・革は染まった。
- ステッチ(縫い糸)は染まらずに残る事が多い。
染料・染色講座 上級編 目次
染色処方とは料理のレシピみたいなもの。
「はかり」・「鍋」など染色に必要な道具について解説しています。
「浴比」・「%」などについて分かりやすく図解で解説しています。
実例だけでなく簡単に計算できる「染料自動計算フォーム」もあります。
微量の染料を誤差なく計量する方法について解説しています。
「折れ線グラフ」ぽい染色処方(レサイプ)の見方を解説しています。
「色あわせ」とも呼ばれる本番染色前の重要な作業について。
色の彩度を下げる?混色とは?について図でわかりやすく解説しています。
・いろんな素材を黒染め比較してみた
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各種繊維・テキスタイル(織物)の分類一覧表を掲載しています。
染料や染色に関する用語の解説です。